タキトゥス初期設定

貴族!敬語!耳!

それしか決まってなかったんですがそれはもうにゅるんにゅるん設定が生えてきてこの様です。

吸血鬼になってショタ枠に⋯⋯えー⋯⋯。

 

初期設定と銘打っておきながら最初に作成したキャラだけあって何も決まってなかったりします。

後は大剣持っている獣人キャラっていいなぁ、から普通に獣人だとなんかパンチがきいてないかなと思ってワーウルフのクォーターに。

身長をダイスで決めたのがそもそものあれでしたね。

アルゴ 初期設定

初期設定アルゴ編

旧 アルゴ(苗字無し)

現 バロン・アルゴ・カーペイジ・コーネリウス

 

アルゴはタキトゥスの弟と自分で思い込んでいる。

実際は血もつながらない赤の他人である。

彼は所謂ストリートチルドレンであり、自分の魔法の才能を磨いて魔法学園特待を勝ち取り寮住まいに。この時13歳である。

三年で卒業資格を入手、しかし才能を同窓の生徒に嫉まれて卒業試験で嵌められる。

洞窟にてオーガとゴブリンに囲まれ、九死に一生というところでオーガの討伐依頼を受けたタキトゥスに助けられる。

眼帯はその時の怪我が元になっている。

その時にタキトゥスに陶酔し、魔法学園を卒業した後はリーンにて冒険者になる。

そしてタキトゥスの弟を自称し(本人は初めから弟だったと思い込んでいる)ストーカー行為を働く。(その時の名残でハイディングがパッシブである)

タキトゥスに「なんでそんな後ろの方にいるんですか⋯⋯」と注意を受けてからはストーカー行為をやめタキトゥスに振り回される日々を過ごしている。

 

尚、この設定はPLが「いや、ノリに反して過去が重すぎる⋯⋯」と思って二日くらいで破棄しました。

―――――ある夏の昼過ぎ、喫茶店にて

 

「あっつい……」

 

そんな愚痴ともつかぬ文句が目の前の弟から聞こえてくる、今日何度目だろうか?数えることも億劫なくらいには聞いた気がする。

しかし彼を責めることは出来ないだろう、何せ本当に最近は暑い。先程体冷まそうと注文したアイスがもう解けてるくらいには暑い。吐きそうなくらい暑い。

 

「あー……アルゴ、ウォータースピアの応用で何とかできないんですか……?このままじゃ照り焼きが二つ出来ちゃいますよ……」

 

依然机に突っ伏したままの弟は気だるげにこちらに目線だけを向けて話を聞く。

 

「さっきやってみたけどなぁー……ありゃだーめだ、ぬるま湯だよ……俺が未熟なのもあるんだろうがなぁ……」

 

「あー……すみませーん!アイスコーヒーのおかわりとオレンジシャーベット二つ追加でお願いしますー」

 

はぁー……と運ばれてきたコーヒーを一口飲み一服。

この後どこかに行こうにもこう暑いとそんな気も失せてしまう。何かいい案はないだろうか……。

 

「あー、……久しぶりに川でも行くかー……」

 

「川かー……中々妙案ですねぇ……ついでに釣りでもして晩にしましょかー……」

 

……しかし僕もアルゴもアイス、シャーベット、コーヒーを飲む以外はピクリとも動かない、考えることは同じですねぇー……。

 

「いやぁー……でも動きたくねぇなぁー……」

 

「わっかるぅー、川まで行くの暑ーい」

 

「暑ーい」

 

ある夏の暑い日の事、こうして冒険者二人は冒険もせず、冷たいものを貪りながらダラーっとしていた……。

そんな兄弟の休日のお話。

依頼の納品物である珍しい薬草を手に入れ、一息をつく。 鬱蒼とした森の中ではあるが丁度この辺りは日の光が射し澄んだ水も流れている。 まるであの場所みたいだ。

何の気なしにそう考えてしまった、恥ずかしい記憶だ、忘れてしまいたいのに。

10年も前の魔法を使う事だけしか考えてなかった頃の話何て……。 目を瞑ると、あの日の事も思い出せる。そうだ、あれは確か今日みたいに風のざわついていた日……。

 

「マジックアロー!」

 

集中、魔法の基礎行程は脳内に叩き込んである。原理も学んだ!まだ早いと言われた本も読んで一月かけて理解した!!

爪楊枝ほどの魔力の塊が宙に形を持って形成される、……いける!

 

「いけっ!!」

 

しかし無情にも魔力の塊は霧散し、音を立てて跡形も無く消えていく。

……失敗だ。 集中が途切れたせいか、魔力不足のせいか。

いずれにせよ、失敗……草の上に全身を横たわらせる。 失敗、失敗失敗。

 

もう何度も失敗している。 何日も、何ヵ月も。

 

「……風が、強くなってきたなぁ」

 

森が一層ざわめく、朝露が顔に当たって冷たい。 もうお昼だ、帰らないと家の人が心配するかな。朝御飯からずっと家に帰ってないもんな……。

 

「サボっちゃおうかなー……」

 

作法も器楽も勉強も全部つまらない。つまらないことはやりたくない。楽しいことだけしていたい。

……もっとも成功しない魔法の練習も楽しくはないのだけど。

「楽しくないならやらなくてもんじゃない?」

「?」

 

聞いたことのない声が耳をくすぐる。 もう立つ気力もないが声のする方へ顔だけを向ける。

 

「クスクス、だーれだ」

 

声は踊るような楽しさを含ませ右へ左へと遊び回る。

 

「見てたよ見てたよ」「全然魔法使えないんだね」「止めちゃったらいーのに」

 

「そ、そんなこと言わなくても良いだろ!」

 

自分でも、薄々は思っていた。 向いていないのならやるべきではない。合理的ではない。無駄だ。だけど……、だけど……。

 

「そんなこと……何で言うんだよ………」

 

自分でもわかっていたけど、涙が出る。言葉が溢れる。胸の底に押し込んでいたはずの感情が。

 

「本当は大好きなのに……魔法が使えないんだ!僕だって頑張ってるんだ!なのに……」

 

あとは言葉にならなかった。

 

「泣いちゃったー!」「ごめんね?ごめんね?」

 

ドサッ!という音とともに何かがすぐそばに落ちてきて矢継ぎはやに紡がれる言葉の主が現れる。

男の子だ。

 

「あのね!泣いちゃうほど悲しいときは楽しいことをすればいいんだよ!」

 

いきなり現れた男の子は、いきなり僕の手を引いて森の奥へと駆け出した。

 

 

 

……ザワ、と森が揺らめく。 いつのまに寝てしまっていたのか、もう夕方だ。 無防備な僕を魔物が数匹狙っているのが分かる。 思い出は抱き締められないけど。

 

「あー、隠れてないで出てきましょうよー」

 

いくつもの思い出が僕を作っている。

 

「け、結構いますね……?ひぃふぅみぃ……」

 

剣を振っている理由なんて何でもいい。 後悔は少しあるけど、立ち止まることはしたくない。

 

「えーっと……面倒臭い!全員相手にしてやりますから一気にかかってきなさい!」

 

あの男の子は結局誰かわからなかった、家の人に聞いても領地の人に聞いてもそんな子はいないという。

 

「うぉぉぉぉおおおお!!!」

 

……会えないのは寂しいが、それならそれでも別にいい。

次に会えたとき、胸を張れるように。

 

「き、胆が冷えました……、流石に森の中で寝るのは調子に乗りすぎでしたね。」

 

僕は剣を振るう。